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2017-04-06

こうもりの耳を持つ少年。



休みの日の朝、
レコードを棚から一掴み。
達郎のCIRCUS TOWNを聴きながらコーヒーをすすってまったり。
達郎もこのころは声が高いな。などと思いながら。
続いてSPACYを聴く、
声が細いね、やっぱ若いころだしな。などとも。


高校受験を無事終えた春休み中の少年もいるので
彼のお気に入りのサチモスをターンテーブルに載せる。
うん?、なんかヨンスの声も高い。
去年のアルバムだし声質が変わるわけがない。
すかさずうちの少年が、
なんかピッチが違うんじゃない。と指摘してくる。
ベースの音も違うし。とさらなる指摘を重ねてくる。

ごそごそと抽斗からストロボディスクを取り出し、
33rpmの60hzをチェックすると、
ストロボが盛大に流れていく...。
目いっぱいマイナス側につまみを回してもまだ流れる。
そこで僕はようやくひとつのことに気がつく。
先日コンセント周りの掃除したときに
うっかり115vプラグに挿し込んでいたことを。

100vプラグに挿しなおして、音だし。
”まだピッチ早いんじゃない~?”と、
となりの部屋の少年からの厳しいダメだし。
改めて調整して音だしする。
”あ~,これこれ。気持ちいいわ。この音。”と、
ようやくうちの少年ディレクターMR. PERFECT PITCHからのOKが出る。

どうやら、
うちの少年,こうもりの耳を持ってるようで。


BGM : BEAUTIFUL BOY / JOHN LENNON













2017-02-02

アナログっていいよねぇ〜。




ヴァイナルジャンキーの僕としては
気に入ったミュージシャンのアルバムはアナログで持っておきたい。

SUCHMOSのファーストアルバムが、
昨年末に限定リリースされていたなどとは露ほども知らず...。
世間では法外なプレミアがついてネットオークションに出てる。
音楽の寄生虫業者のもうけに協力するのはNO WAY。

こんなときこそはと、
わらにもすがるつもりで業界の音友に頼ってみたら、
いろいろ手を回して贈ってくれた。

届いたレコードを胸に抱えて小躍りしたのはいつ以来だろうか。


まるで息子が連れてきた彼女におとうさんがすっかり夢中という感じで。

やれやれ。

LOTUS CALIFORNIA たなかひろし

2017-01-26

THE KIDS / SUCHMOS




本日、CDが届いた。

僕が注文した訳じゃなく、
我が家の中3になる少年が生まれてはじめて買ったアルバム。
SUCHMOSのTHE KIDS。
テレビコマーシャルで流れてるSTAY TUNEが相当気に入ったらしく,
YOUTUBEで何回も観て
シャワー浴びながら大声で歌っている。
そんなに気に入ってるならと初回限定版を予約注文した次第で。



早速プレーヤーにのせて聴いてみる。

おおっ。
なかなかいいじゃない。
というかすごいかっこいいやん。
アンプのボリュームをぐいっと上げる。
ベースラインがぶりぶりと太くてうねる、うねる。
タイトなドラムの上でエレピが揺れる。
歪んだギターサウンドもいい。
なによりもバンド全体が気持ちよくグルーブしてる。


一聴してジャミロクアイの影響が強いのはわかる。
でもなんだろう。
スタックスとかモータウンあたりのオールドソウルも匂うし、
フィーリーお得意のごきげんなリズムもちらほら、
NYガラージュのブギーな感じに加えて
ディアンジェロ以降のオーガニックR&Bな音色も感じる。
言葉の選び方、音へののせ方も気持ちいい。
ソウルマナーのファルセットもセクシー。

そう思い出したのは、
達郎のボンバーで聴かれるぶっといベースとうねるグルーブ、
思わず体が動きだすあの感じ。
もう少し時代を遡るとカーティス・メイフィールドの
鉄壁のリズムセクションが繰り出すグルーブ感。

理屈抜きに気持ちいいですやん。
いいもんはいい。

捨て曲無しみたいなDJ向きなレコ屋の売り文句は好きじゃないけど、
聴きどころ満載の個人的名盤認定。




しばらく我が家の風呂場からは少年と元少年のTHE KIDSの熱唱がとまらない。

STAY TUNE IN TO~KYO FRIDAY~NIGHT!!



LOTUS CALIFORNIA  たなかひろし



BGM: STAY TUNE  /  SUCHMOS


SUPERFLY / CURTIS MAYFIELD


4月に大阪でライブがあるようで、
CDに先行予約の特典が...。
もうこれは行くしかないでしょう。





2017-01-09

僕が歩けばレコードにあたる。 / GILBERTO WITH TURRENTINE

本日の収穫。



アストラット・ジルベルト、
ボサノバの女王とはだれが名づけたのか。
でも、僕には彼女のアルバムの多くが
ぬるい風呂に浸かっているかのようで、
あまりにもなまぬるすぎる。
昼寝のBGMにはいいけど、
ターンテーブルに載せて向き合って聴くにはいささか退屈。


彼女のアルバムの中でもデオダードのアレンジによる
このCTIのアルバムはとてもいい仕上がり。
アレンジのよさもさることながら、
スタンリー・タレンタインのテナーサックスもいい塩梅で歌う。
ロン・カーターのベースもいい仕事してるし、
ハーモニカのトゥーツ・シールマンスも実にいい。
何回聴いても飽きない。

ぬるすぎず、ちょうどいい温度で、
何時間でも浸かっていたい
程よい刺激のある有馬の銀泉のような。
ああ、至福の時間...。

LOTUS CALIFORNIA  たなかひろし




BGM: BRAZILIAN TAPESTRY /ASTRUD GILBERTO



2016-09-21

今月のウクレレ課題曲。 / RAM ON



ながらく探していたポールのRAMのUSオリジナル盤。

この一月は自宅のターンテーブルの上に乗りっぱなし。
聴けば聴くほど良くなってくる。
(例のポール独特のいやらしい転調に次ぐ転調もないし)
噛めば噛むほど味わいの増すこんぶのようなアルバム。
でもこのアルバム、
発売当初はローリングストーン誌からは散々な評価。
アルバムのその“LIGHTNESS”さから
“Ram represents the nadir in the decomposition of ’60s rock thus far,”
60年台ロックの腐敗の底辺と酷評されたらしい 。

この71年は歴史的名盤が目白押しで,
ざっと挙げても
WHAT'S GOING ON / MARVIN GAYE
ELECTRIC WARRIOR / T-REX
DOORS / L.A. WOMAN
LED ZEPPELIN IV / LED ZEPPELIN
IMAGINE / JOHN LENNON
STICKY FINGERS / ROLLINGSTONES
BLUE / JONI MITCHELL
THERE'S BIG RIOT GOING ON / SLY &THE FAMILY STONE
WHO'S NEXT / THE WHO
FRAGILE / YES
MEDDLE / PINK FLOYD
といった具合でヴィンテージレコードの豊作年。

どうやらRAMはいまひとつセールも振るわなかったようで...。
今聴くとこの軽さがなかなかいいんだけど。


このアルバムの中でもRAM ONはほぼウクレレだけの短い曲、
ハワイアンにはあまり聴かれないふしぎなD♭maj7というコード使いで
あとは定番のCとFと1フラットのセーハの4コードのシンプルな曲。
ふしぎとなぜか頭から離れない。
気がつけば鼻歌を口づさんでる。

RAM ON, GIVE YOUR HEART TO SOMEBODY SOON,
RIGHT AWAY, RIGHT AWAY...

しばらく触っていなかったウクレレの今月の課題曲に。
でも簡単すぎて課題にもならない。
とうそぶいてみる。


このカハナモクのウクレレのチープな音が
妙にこの曲に合う。
ウクレレは力抜いて、
フンフフ~ンって弾くからいいだよね。
さすがはポールさん、
そのあたりの軽さまでわかっての作曲なんだろうな。



BGM : RAM ON / PAUL MCCURTNEY


RAMONって、
どうやらポールがアマチュア時代に使っていた名前でもあるらしい。
娘ステラの2015SSキャンペーンフィルムのBGMにも使われてた。
この曲をセレクトする審美眼、すばらしい。
お父さんは幸せだな。

lotus california  たなかひろし

2016-02-09

R.I.P. MAURICE WHITE /KEEP YOUR HEAD TO THE SKY


ディスコデビューを夢見てた少年のころ、
クラスメートから回ってきたE,W&Fのアルバム。
これいいで~。
こんな感じでおどるらしいで。
と連れから兄貴直伝のステップを校舎裏で習う。
借りたレコードをカセットテープにダビングして飽きることなく聴いていた。
中学生のこづかいではレコードはなかなか買えなかったから
そうやって友達から借りて聴くか、
音楽好きの兄貴のいる家で聴くことが多かった。
そうやって一枚のレコードをしゃぶりつくすように聴いていた。


空を見上げてそんなこと思い出した。
ひとりバスストップのステップ刻んでみる。
そういや、
ずっと空を見えげよう。って歌ってたね。
モーリスさん、やすらかに。

明日もがんばろう。

LOTUS CALIFORNIA たなかひろし


BGM: KEEP YOUR HEAD TO THE SKY / EARTH, WIND & FIRE

個人的にはブラジル音楽の影響が強くて浮遊感のある
この頃のほうが音楽としては好き。
まあ、ディスコの頃もそれはそれで楽しめますが。


2016-02-08

かもめにはじまりかもめに終わる。vol.3 / VINTAGE SHURE





調整を終えたメインのプレーヤーには、
ついにかもめのツインズが飛び交う。
SME3009にはM55Eを
SME3012にはM447。
どちらも音質が似てるから
ダブルアームでこのセッティングをする意味はあまりないんだけど、
いちどこれをやってみたかったもので。
かもめフェチの僕としては。 





シュアーのカモメ柄カートリッジと
トルクのあるガラード301に
マッキントッシュの球アンプとのあわせで出てくる音楽は、
元気いっぱい笑顔いっぱいのアメリカンチアリーダーという感じ。
おしりが大きくて肉つきがよくて、
弾けるような躍動感に溢れている。
少しばかり音楽的なデリカシーには欠けるかもしれないけど、
輪郭のしっかりした中低音の押し出し感が僕の好み。
チック・コリアの浮遊感のあるフェンダーローズの音がかもめのように舞い、
スタンリー・クラークのベースラインのうねりにあわせて
自然に体のあちこちがリズムをとりだす。

このカートリッジは音の余韻もしっかり描き出してくれるから
案外こういうアルバムも楽しめる。



とはいえ、カートリッジ遊びはまだまだ続きそうではあるけど。
ortofonのAシェルなんかも楽しそうだし...。


lotus california  たなかひろし


BGM : WHAT GAME SHALL WE PLAY TODAY


かもめジャケットのアルバムに駄作はない。
と僕は思うんだけど。




2016-01-16

JUNGLE BEAT.

ひさしぶりに元町の高架下を散策する。


昔は中古の電化製品を直して売る店や
いやらしいビデオを売る店が多く、
買い物をする外国船員の目線が鋭くて
女の子連れて歩くのは躊躇するくらいだった。

それもいまや昔、
すっかりこぎれいな店が軒を連ねている。

その中にあって
中古レコード屋だけは昔のまま。
床にはところ狭しとレコードがとっちらかり、
レコードラックの上には見ることを拒むかのように
50センチくらいにレコードが平積みされている。
ここには整理整頓という概念はない。
地震の直後のように
棚からレコードが崩落している。
狭い棚と棚の間を進むと、
うずたかく積まれたCDがガラガラと崩れ落ちてくる...。
店員はそれも何食わぬ顔でやり過ごす。

そうここだけは昔のままのモトコー。
未開のジャングルのような怪しさに満ち溢れていて
予測のできない店内に
こころを緊張させる。
その緊張感にすこし興奮してくる。
手が汗ばみ、頭の中でジャングルビートがこだましだす。
僕の目もぎらぎらとしてきて
集中力を増し、
獲物を狙う動きにも鋭さがでてくる。

そうそうレコードをディグするって
埃にまみれて指を真っ黒にする
この感じがいいんだった。


しばらくはジャングル通いが続きそうで。

BGM SING SING SING


これぞジャングルビート、
さすがはこのドラムビートの生みの親、GENE KRUPA 。


  NOT FADE AWAY / ROLLING STONES




DESIER / U2


55 BO DIDDEY/ BO DIDLEY
流石はボー・ディドレー、
自分の名前を付けちゃう十八番のボーディドレービートです。

2015-12-10

HELP! I NEED SOMEBODY. / AW-1D



何かがひとつ壊れると、
つぎからつぎへとモノが壊れていくのは
我が家特有のウイルスなのか。

80年代にボーズ感性工学社の訪問販売で売られていた
名作ラジカセAW-1D。
当時初任給の2倍くらいのお値段だった。
いささか低音がブーミーすぎるけど、
小さな音でBGMをならすには低音が痩せなくていい。

CDの音飛びが時々出始めて数週間して、
いままでに見たことの無いHELPという液晶表示とともに
完全にCDが機能しなくなった。

HELPって...。

妙に人間味のある壊れ方するなと変に感心する。
30年以上も使っていればくたびれもするさと、
ボーズサービスセンターに修理依頼の電話をいれると
修理サービスは終了しました。とのつれない返事。

ボーズ感性工学さんの製品って永久保証を謳ってましたよね。
と食い下がるも、
担当オペレーターは外部入力使ってスピーカーとして使えますよ、と
とんちんかんなアドバイス。

僕は直したいの。
これはこれで重宝してるんだから。

HELP!
誰か直してくれるひと探さなきゃ。

LOTUS CALIFORNIA  たなかひろし


BGM:  HELP / DEEP PURPLE

今の気分はこのディープ・パープルのカバーバージョンに近い。




その後、ネット検索していると
修理してくれる人をヤフオクで発見。
入札→依頼→修理完了。
手元に戻ってくるまでわずか一週間。
あっというまだった。
コンデンサー等もアップグレードしてくれてるらしい。
(僕には音の違いはわからないけど。)
保証も一年ついてくる。
なんとも便利な時代ですね。


追記(2016 1 10)
機嫌良く動作していたのもつかの間、
レストアから約一月したあたりから
CDをスタートさせると空回りをしだすようになり
また例のHELPの文字とともに完全に動かなくなる...。
再メンテナンスを依頼したら、
わずか3日程でCDメカが交換されて戻って来た。
さらにまた一年の動作保証しますとのこと。
なんというすばらしい対応なんだろうか。

こういう仕事をプロフェッショナルというんだと思う。



2015-11-25

不思議なレコード。SAND / BARNARY RECORDS




いつものようにレコード屋をのぞいて、
壁に掛かるレコードに目を配る。
目に飛び込んで来たのは、
砂まみれのハンバーガーが強烈なジャケット。

これいいですよ、と店主が勧めてくれる。
面白いことに、このアルバム二枚組なんですけど
どちらも片面しか音を刻んでないんですよ。
なんででしょうね?
と。

音質重視なのかな。と僕。
でもこの後すぐに倒産するようなこの弱小レーベルが
そんなコストのかかることするとも思えないんですけど。と店主。
そうだよね、それに音質重視なら45回転で両面に
カッティングして二枚組にするほうがいいもんね。と僕。

うーん、
このアルバムの音の良さときたら。
プロモ盤にしても...。


ハワイ産ウエストコーストロック的な音色、
レイ・グーリアックあたりや初期カラパナみたいな。
もしくはロビー、フォーク&バドみたいな
低音の充実したいい塩梅のフォーキーグルーブ。
(マニアックすぎてたとえにならないか。)


このレコードのことをネットで調べてみると、
どうやら、70年代まだ原油価格が高騰するまえの時代に
スタッカブルプレーヤーで演奏するために
片面だけにプレスしていたらしい。
なんて贅沢なんだろうか。
そもそも、その時代にスタッカブルプレーヤーがどれほどの
ポピュラリティーをもっていたのかはわからないけど。

お店でそのレコードをかけていると、
栄町のレコード番長、カフェ萬屋宗兵衛のオーナーが現れる。
今日はレコード屋で収穫なかったわー。なんていつもの調子。
で、僕の入手したレコードのはなしをすると、
僕、スタッカブルプレーヤー持ってるよ。って...。
コーヒーを焙煎するときにレコードをひっくり返さなくていいから便利だよ。
5枚くらい連続で聴けるし。
でもアルバムの片面ずつしか聴けないけどね笑
などと。


ふむふむ。
70年代にはコーヒーを焙煎しながらレコードを聴く文化があったかもしれない。
きっとサンフランシスコのベイエリアなんかには......。




LOTUS CALIFORNIA たなかひろし

BGM:  SAND /  WHO YA' TRYING TO FOOL


SAND / DESTINED ROAD

2015-11-09

どうやらプロモ盤は音がいいらしい。




レコード屋でときどき見にするプロモ盤。
はたして本当に音がいいのかしらん。
知り合いの中古レコード屋の店主にきいてみたら、
いいですよ。ときっぱり。
しばらく黙ってつづきを待つが、
それ以上の答えはない。

ふーん。音がいいんだ。
僕自身、同じアルバムのプロモ盤と普通盤(?)をききくらべしたわけでもないし、
聞き分けれるほどいい耳を持ってるとも思えない...。
手元にはPROMOTIONAL COPYのシールのついたレコードが
それなりにたくさんあるけど、
僕はどちらかというと敬遠してきた。
というのは、プロモシールが邪魔だから。

アナログはジャケットのデザインそのものもアートで
そこにプロモシールがあること自体が好ましくないのである。
プロもシールが遠慮がちに隅のほうに貼ってあるのはまだしも、
どうしてここに貼るのかとほとほとあきれる程センスのないのもある。

酷いのはワーナーのラジオ局用プロモ盤(WARNER BROS RADIO STATION SERVES)
という曲目とタイムを記載した巨大なシールが
ジャケットの下から1/4を占拠していて、
ジャケットアートが台無し。
完全なる業務用。
無粋なので基本的には無視。
というわけでプロモ盤に特段の思い入れはなかった、
この一枚に出会うまでは。
通常盤とは違うあまりの音の良さにびっくり。



どうやら白レーベルのプロモ盤は放送局用のプロモーション盤らしく、
音質の為に一番最初にプレスするそうで
プレスを重ねたスタンパーのプレスよりも音の優位性があるらしい。
ということはオリジナル盤マトリクスナンバー等の確認するまでもなく
最初期プレス盤ということか。
さらには記載はないものの高品質のビニールを使うこともあるらしい。

うーん、
知らないでいいことを知ってしまった。

レコードやでプロモ盤をみつけると嬉々とする今日この頃。

私的名盤をプロモ盤で買い直そうかと画策する。
アナログレコードの沼は深い...。

LOTUS CALIFORNIA  たなかひろし


BGM: FOR SENTIMENTAL REASONS / DANNY KORTCHMAR

2015-10-28

秋の夜長はギル・スコットヘロン。




秋の気配が深まってきて、
心地のいい音が鳴っていると気分もいい。
それがその時の気分にあった音楽でもいいし
風の音や虫の音でもいい。


先日、波乗りの後、
いつものように仲間と温泉に入ったあと
食堂でゆっくりしていたときのこと。
テレビから流れるとある若い女性歌手の声が気に障って仕方がなかった。
普段ならやりすごしてしまうのだろうけど、
その高い音域でゆらぎのない声に僕が我慢しきれず,
箸でテレビ画面を指差し、
だれ、この娘?
これってみんな聴いてて気持ちいいの?

結構、若い子らには人気らしいですよ。と友人。
高い声のほうが売れるらしいですよ。もうひとりの友人がつづく。

うーむ...。

こんな磨りガラスを引っ掻いたような細身でヒステリックな声が...。

日本人は高音が好きなのか。

僕の記憶の中の子どもの頃のアイドルは、
もっと肉感のある低い声で歌っていたし、
音域がもっと広くて揺らいでいたように思う。

いつのころからこんな高くて狭い音域の
キンキンした歌い手が幅を利かせてるのだろうか。
声変わり前の子どもの歌うキッズグループのように
カン高い音域一発勝負みたいな。

その国その国独特の音階や音色ってあるんだけど、
歌謡というカテゴリーの日本標準音楽は
完全に独自の進化をとげていて、
まさにガラパゴス状態。


家に戻って、
ギル・スコットヘロンを聴きながらほっとする。
その昔、たまたま旅行中のロンドンで、
彼のポエトリーリーディングのライブにいったことがある。
朗読自体はほとんど何のことかはわからなかったけど、
最後にエレピの弾き語りで数曲歌ってくれた。
その声出し一発で僕のこころは震えた。
すこしはちびっていたかもしれない。
声そのものが楽器。
こんな声、
ほかにはトム・ウエィツやレナード・コーエンくらいしか思い当たらない。


lotus california  たなかひろし

その昔、
海外のスピーカー設計者が日本のスピーカーを試聴したときに
そのカン高い音色に驚いて
日本人はもっと西欧の音楽を聴いたほうがいいといったらしい。
イギリスのとあるメーカーの社長も日本のメーカーの音を聴いて
特定の音域、特に高い音域にピークのあるその音質を
アグレッシブな音と評したらしい。
低音がぬるくて高音が攻撃的
まさに日本の歌謡を表現するにはぴったり。

とはいえ、
イギリスのスピーカーはそれはそれで独特、
高域が伸びきらずに中域にピークのある音。
それはそれで味のある音でなるけどね。
お国柄ということか。
イギリスに行ったひとならわかるだろけど、
イギリス人はもっと味覚を磨いた方がいいとおもう。
なんであれほどうまくないものばかりなんだろうかと。
中華とインディアン以外たいしたものがない。




2015-10-06

きついレコード。 HYMNS SPHERE / KIRTH JARRETT



いまでもときどきレコードを買って失敗することがある。
いわゆるジャケ買いでの失敗は、
壁に飾れるからまあ良しとして...。

きのう買ったレコードは人生最大のきついレコードだった。
ECMレーベルなんでオルガンというタイトルでも
ハモンドではないのはわかってたんだけど。

内容が実にきつい。

暗い、重い、つらい感じのパイプオルガンのソロが延々と続く。
人生のあらゆる種類の悲哀がたばになってこれでもかと
天から自分目がけて降り注いでくる。
加えて、地中からもなにものかに引きずられてずぶずぶと沈んでゆく感じ。
これほどレコードの片面が長く感じることはない。
がんばってA面とB面を通して聴く。

しかしこれが2枚組.....。
C面を聴いてる途中でさすがにギブアップ。
完全になにかの拷問。
これを一日暗い部屋で流されたら
簡単に仲間の名前くらいは吐いてしまう。

おそるべしキース・ジャレット。

これほど盤質がピカピカの中古盤もなかなかお目にかかれない。
おそらくは前の所有者もほとんど針を落としていないはず。

このアルバムが愛聴盤だというひととは
仲良くなれそうもない。
まあそうはいないだろうけど。


LOTUS CALIFORNIA たなかひろし



それでは、西独ベネディクト修道院での即興演奏をおたのしみください











2015-09-19

ESPERANZA SPALDING SUMMER LIVE IN NEWPORT BEACH.

気軽にライブが観れるのも夏のカリフォルニアの魅力のひとつ。


個人的に若手ミュージシャンで一番ぞっこんなのが彼女、
エスペランサ・スポルディング。

その浮遊感のある声と力感のあるベースの弾きっぷり、
加えてふわふわのカーリーヘアーにちいさな顔のそのお美しさ。
バークリー音楽学院を飛び級で卒業、
そのまま若干20歳最年少で教鞭を執ったという。
まさに才色兼備。
2011年にグラミーの最優秀新人賞、
2013年には最優秀ジャズボーカルアルバム受賞と順風満帆。
アルバムごとに違う表情をみせてくれるし、
最近のアルバムはジャズのカテゴリーを超えて、
音楽のスケールが大きいのも魅力。

いい具合にニューポートビーチでライブがあるというので
TICKET MASTERでポチッと予約。
とても簡単。


ニューポートビーチのハイアットホテルに車を滑り込ませると、
背中をきわどいところまでむき出しの黒いドレスにヒール の淑女がちらほら。
粋にバレットパーキングしようかとおもったら驚きの50ドル。
いい格好にはコストがかかる。
すんなりと諦めて自分で車をまわす。

キャパが500人くらいの海を望むちいさな屋外ステージが会場。
うやうやしくエントランスを入ると、
大理石フロアー張りのホテルのラウンジで
シャンパン片手に談笑するハイソサエティーなお客様ばかり。
昔チャカ・カーンな女性やクインシー・ジョーンズなしぶい男性があちらこちらに。
その黒人たちの装いをながめるだけでも楽しい。
ゴージャスな雰囲気を横目に見つつ
会場隅のスタンディングバーでワインを買ったら、
これまた驚きの25ドル。
なぜにプラカップに半分ほどの普通のカリフォルニアワインが...。
その辺のリカーショップで3本買えますやん。
と一応つっこんでみる。


ライブが始まると思いの外アバンギャルドな演奏スタイルに
シックな装いの高齢のお客様がバンバン席を立ってゆく。
演奏中でもおかまいなしに...。
3曲目の激しく長いギターとベースの掛け合いでは
白人のおばさまたちはしびれを切らせたように帰っていった。
おそらくはシックでアーバンでメロウなジャズボーカルを期待してたんだろうな...。

おかげで会場の見通しが良くなったし、
残ったアフロアメリカンのオーディエンスのノリが良くて
ライブもいい感じに盛り上がり
僕たちは大満足だった。


AUG. 14 2015 ESPERANZA SPALDING AT HYATT REGENCY NEWPORT BEACH

ライブを途中で立った経験のない僕には新鮮な経験ではあったけど。
(寝てしまったことは過去何度かある)
あれほどさくさく見切って帰っていくオーディエンスと
それにまったく臆せず自分たちの演奏をやりきるミュージシャンのタフさに
ある種アメリカのライブ文化の一面を見た様な気がした。

 まあ、こうやってライブ力みたいなのをつけていくんだろうな。

ひとまわり大きくなったエスペランサの今後にも期待。(勝手に)


lotus california たなかひろし

2015-07-01

下田逸郎 さしむかい弾き語り。

先日の下田さんのライブはとても特別な時間だった。


三宮のカフェZOEでキャンドルの灯りがゆれるなか
30人ほどのお客さんを差し向かえて
マイクなしでギターの弾き語り。
インティメイトという言葉がぴったりなライブだった。

自身の言葉をギターの音色にのせて紡いでゆく。
ジャンルは違えど、カルロス・ジョビンのように
あるいはギル・スコット・ヘロンのように、
言葉と音が一体になって僕の魂をゆさぶる。

歌いたくなったから歌う。
それを聴きたいひとが集まる。
そのミュージシャンを敬愛するひとがその場を提供する。

そこにはいわゆる予定調和がない。

下田さんはその時の気分とその場の雰囲気で歌う曲を決めてゆく。

まさに差し向かい。

うまく言葉では言えないけど、
そこに居てその場を体感できたことに感謝したい。
数週間過ぎても、いい余韻がつづく。
いい波に乗れたときのような。




カフェの壁に張られていたポスターのデザインが素敵で
CAFE ZOEの荒井さんに無理をいって
そのライブのポスターをわけてもらう。
70年代のサンフランシスコベイエリアでのライブポスターを
思い起こさせるいいデザイン。



いい仲間たちといい時間を。

Lotus California タナカヒロシ





2015-03-21

そうだ、DISKOGSという手があった。

そうだ、DISKOGSという手があった。



という訳で、手元にやって来たALOE BLACKのファースト。

DISKOGSはアメリカの音楽データベース。
アナログ盤のことをあれこれ調べるにはなにかと便利で、
ときどきお世話になる。
再発盤やブールトレグ盤の詳細もわかるし、
アナログ原盤のデーターを調べるにはとても都合がいい。

さらにはDISKOGSサイト内には、
マーケットプレイスがあって、
ディーラーがアナログやCDを出品している。
手に入りにくい絶版アナログなんかもサクッと見つかる。
うれしもありかなしくもあり。
うまくいくと安く出品されていることもあるので
送料次第ではお得な買い物になる。

アロー・ブラックの1STアルバムが国内でどうしても手に入らなかったので、
こちらのお世話に。
ドイツのディーラーから送ってもらうことに。
オリジナルプレスのレコードが未開封で11ユーロ、
送料が8ユーロ。
しめて19ユーロ(約2400円)也。
まあ、悪くない。

でも、
AMY WINEHOUSEのBACK TO BLACKなんてのは
こちらでは140ドル超えの高値がつく。
国内HMVのサイトではファーストプレスがいまだに
1/10ほどで手に入るのに。
(いまのうちに買い占めておけば、数年後には
それなりの値段になるんだろうな〜。
でもそんなことはしないさ、レコードは趣味だから。)
上手に探せば買い逃していたレコードも手に入る。
いい時代になったもんだ。

指先ひとつの買い物は味気ないけど。

文化月間も最終コーナーに差し掛かり
アナログ購入のペースもヒートアップ気味。

頭を冷やしにそろそろ海に行かなきゃ。



LOTUS CALIFORNIA  たなかひろし

BGM : AMY WINEHOUSE / REHAB



あー、かわいい。
あっという間に僕の音楽世界の夜空の星になってしまった。
いろいろお騒がせな娘だったけど、
いい声だな。





2015-03-01

ALOE BLACCというシンガーがじつにいいということについて。

最近のブラックミュージックにはほとんど興味がもてない。


一応ビルボードのR&BチャートやMTVを
ときどきは見るようにしているが、
鍛え上げられた腹筋とみごとなお尻しか
おおよそ見るべきところがない。

よく鍛えてんだな。と感心しきり。
なに食べてんだろうとか。
高級ジムの使用後CMを思い出してしまう。


てなわけで、
ここのところ興味をもてるミュージシャンがすっかりいなくなっていた。



週末、なにげに見ていたMTV、
ええ声の黒人に気を惹かれた。
細身のスーツにタートルネック、ポークパイハット。
イギリス人かな?

その声とスタイリングは
即座に若い頃のマービン・ゲイを思い起こさせた。
声質はマーヴィンよりもうすこしハスキーでゆらぎを伴っていて、
HOOTIE&THE BLOWFISHのダリアス・ラッカーの声に似てなくもない。
彼の名前はALOE BLACC、
もちろんアロエではない。
アロー・ブラック。

カリフォルニアはオレンジカウンティー出身で、
どうやらもともとはラッパーとしてのキャリアがあるらしいが
シンガーとしての資質の高さに各レーベルからのオーファーが絶えなかったらしい。
そりゃ、そうだ。

アルバムはまだ3枚しかでていないけど、
すでに1STのアナログは入手困難...。


では、
BILLIE JEANのカバーを3連発でおたのしみください。
引き出しの多さが半端ないです。

現代ソウルミュージックのマエストロかと。



お次はJAZZアレンジで。

最後は弦楽5重奏バージョンで。


いかがでしたでしょうか。
まだサルサバージョンとかラップバージョンとかできると思うんですよ。
まだまだ伸びしろがあるというか...。

いやはや、たのしみなミュージシャンです。

どうにかして1STアルバム手に入らないかと...。

LOTUS CALIFORNIA  たなかひろし





2015-02-19

JUNK... I CAN'T GET NO SATISFACTION.



個人売買でイギリスから届いたSHUREのカートリッジM44-7。
初期型カモメマークのデットストックで
オリジナルのスタイラス付きなのだ。




梱包をほどくのももどかしく、
早速カートリッジをシェルに装着しての音出し。

うーん、なんだこりゃ?

右チャンネルからしか音が出てこない......。

手持ちの別のスタイラスに交換しても同じ結果。

念の為にと、
違うシェルに装着しても右チャンネルからしか音は出てこない。

やれやれ。


またジャンクがイギリスから届いたようで。

なんだかんだで懲りてない僕。

そういえば、良く言われてたフレーズがある。

YOU NEVER LEARN... (懲りないね、君は。)

座右の銘としよう。
あるいは、ブログのタイトルとすべきか...。

LOTUS CALIFORNIA  たなかひろし

BGM : I CAN'T GET NO SATISFACTION.




ミックの赤いボタンダウンシャツ、
襟ロールが大きいし
袖カフが長くてボタンがウエスタンシャツみたく縦に3つならんでる。
かっこいいやん。
うーん、早速サンプルを作ってみよう。








2015-02-15

YOU CAN'T ALWAYS GET WHAT YOU WANT..



ただ古いものが好きという骨董趣味ではないんだけど。


デザインの完成度やクオリティの高さ、
モノつくりの良さやその国らしさ、
洗練さとおおらかさ。
直して使えるという道具の本質を求めていくと
1940年代から60年台のプロダクトに行き着くことが多い、僕の場合。




そういったものを海外から個人売買で入手することもある。

実物を見ずに買うにはそれなりのリスクもあって、
オークションの出品物は玉石混交、
出品者もなかには具合の悪い輩もいる。
壊れたものを良品と偽るものもなかにはいる。
つまりは、海千山千の強者ばかり。



僕はかならずメールでやりとりをして相手のそのひととなりを探るようにしてる。
経験上、雑な返事や主語を省いた文章で返事をよこす輩は怪しい。
今回のやりとりした相手がまさにそういうタイプで警戒はしていたんだけど...。
ものが良かった上に、
プリンスがオーク無垢材でセミフローティング使用。
これを国内で作るだけでも相当手間と費用がかかる。
しかもレストア費用くらいの値段交渉にも応じてくれたので。
(ヴィンテージはおおよそ価格の2割くらいはメンテナンスに使う覚悟で買うことにしている。)

で、イギリスから届いたのはこの業界20年以上と唱うプロの仕事とは思えない梱包。
ターンテーブルは木製のプリンスに
肉離れのテーピングさながらメンディングテープでぐるぐる巻きにされていた。
しかもそのままの状態で隙間に発砲スチロールをつめこんだだけというお粗末さ。
発砲ステロールの粉にまみれたターンテーブルの
スイッチレバーはまっぷたつに折れ、
12インチトーンアームのインサイドフォースキャンセラーは根元から折れていた。





おまけにSMEのアームにはインサイドフォースキャンセラーのウエイトが付いてこないという始末。

モノへの愛情のかけらもない梱包。


早速、クレームのメールを入れると、
申し訳ない。すぐにパーツを送るから。
SORRY, SEND THEM TODAY
と主語のない返事があったあとは、ノーリプライ......。

まっ、いっか。
どうせレストアしてから使うつもりだったし。と自分に言い聞かせ
怒りと悲しみが綯い交ぜで眠りも浅い。。

しかたがない。


YOU CAN'T ALWAYS GET WHAT YOU WANT.
子守唄だな...。


lotus california  たなかひろし


BGM: YOU CAN'T ALWAYS GET WHAT YOU WANT. / THE ROLLING STONES







2015-01-19

WALTZ FOR DEBBY.



いつものレコード屋に入り
いつもは見ないジャズボーカルの棚をなにげにチェックしてると...。

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みーつけた。っと...。

長年探していたレコードを文字通り胸に抱えて、
にやにやしながら店を出る。
むかえのエヴィアンでコーヒーをすすりながら、
にやけ顔をこらえてジャケットを眺める至福の時間。

これがあるからレコード屋巡りはやめれない。



D


モニカ・ゼタールンド、スウェーデンのジャズシンガーで女優。
歌のうまさより雰囲気の良さで勝負というタイプ。
僕はこういう眉山の高い妖艶な女性に昔から弱い。
いつになくにや付いたエバンスの表情、
きっとエバンスも弱かったに違いない。と勝手に憶測する。


こんなこと書いていて、
動画を検索していたら昨年末にモニカの自伝映画が公開されていた...。
知らなかった...。
でもよくよく調べてみたら幸いなことに、
神戸シネリーブルで今週いっぱいは公開している。
でもお昼間の一回だけ。
仕事に少し遅れてしまう...。

うれしかなし。


D

LOTUS CALIFORNIA たなかひろし