2014-06-25

OLD SCHOOL IS KOOL.



とある晴れた6月の日曜日。

f:id:lotuscalifornia:20140608125506j:image

久しぶりにスクーターに跨がり、
神戸の港のとあるアダルトストアに向かう。

そこは冷やかし半分で訪れる店ではない。
相当の覚悟を胸に、
そして汗水たらして稼いだキャッシュを懐に携えて
こころ高ぶらせていくところ。
まさにおとこの殿堂。

きょうはいつにも増してワクワク。
というのも僕の敬愛する買い物番長が自身の私物フリーマーケットをするというから。

挨拶もそこそこに、
そこらに無造作に置かれたバイクのパーツやら、
ビンテージのフロリダンシャツやラングリッツのライダースなんかに
気を取られながらもなにかないかと
目はきょろきょろ、
鼻はクンクン、
腹を空かした子犬のように落ち着きが無い。

ふと目をやると、
見覚えのある自転車がひっくり返しておいてある。
日本製のクロモリフレームに
パンチの効いたジョーズのデカールのBMX。
パッドも揃うオリジナル完品。

f:id:lotuscalifornia:20140608125156j:image:w360

f:id:lotuscalifornia:20140608125159j:image:w360



うわっ、これ手放すの?とにやにやする僕に。
最近乗らないし、乗る人のところにある方がいい。と
モノの本質に無駄の無い一言で迫るアダルトストアーのオーナー。

実は、ちょうど僕の少年がBMXを欲しいっていってたんだ。



少年にそれを見せると、
ケーブルがハンドルの外にあるやんー。とまさかのがっかり顔...。
どこで見てたのか、どうやら、彼はフラットランドのBMXが欲しかったようで。

かっこいいのは、オールドスクールだよ、
オーーールド ス ク ー ル。っとおおきな声アピールするものの彼のこころには響かず...。

ふん。いいさ、僕が乗るから。
コンビニくらいはスエットパーカー被って立ちこぎ全速力行ってやる。
エリオット少年のように...。
なんってたってオールドスクールなんだから。



D

これ観たら、
オールドスクール好きになるかな。

さあ、磨いてやろう。

そうしてモノ好きからモノ好きにモノは受け継がれてゆくわけで。

f:id:lotuscalifornia:20140624193544j:image:w360

f:id:lotuscalifornia:20140624193745j:image:w360

ロータスカリフォルニア たなかひろし




2014-06-15

NOT EASY TO BE A MUSICIAN.



先日の大阪フェスティバルホールでのジャズコンサートでは波乱が。

f:id:lotuscalifornia:20140703122301j:image


演奏中に観客が声を掛けたとか。
咳をしたとかで。
本人が演奏に集中できないと、
演奏途中で中断、
再び出てくるも
またステージから退場した。

それに納得いかない観客数十人は返金を求めて
深夜まで居残るという事態に。

僕はキース・ジャレットの音楽が好きだし
ピアノソロと向き合いたい気もするけど
関西でのコンサートに一抹の不安を感じていたし、
花粉症がひどく体調も万全でないのでチケットの手配をしなかった。
ついでにいうと、
僕はわりかしトイレが近いから長い演奏にもある種の不安を感じていた。
コンサート途中でトイレに行くために立ち上がるなんて.......


結局は、演奏家と観客(一部の)の想いが通じ合わなかった
残念な結果になってしまったんだけど、
キースの演奏を聴くんならそういうことも起こりうることとして想定しているべきだと。
彼の命を削ってるかのような演奏表現には、
聴く側にもそれなりの決意のようなものが必要なはず。

たとえるなら神への祈りのような沈黙や静寂が。

そうでないなら自宅でCDなりレコードという再生芸術を楽しめばいいわけで。
ライブなんだから、おもしろいもんみれたわーくらいのこころ意気がほしいなー。

聞いた話だけど、
ジョアン・ジルベルトのコンサートでは開演予定時間に本人があらわれず、
ただいまアーティストがホテルを出ましたという
主催者側のアナウンスに
会場から拍手がわき起こったという。
粋な客だよね。
で、本人は相当遅れてステージに登場したものの
ギターをかかえて座ったまま30分以上動かなかった。
心配になって舞台の袖から関係者ででてきて様子を伺うものの本人はかたまったまま。
どうやら日本人のマナーのよさに感動していたとか。
(その後の来日公演ではその硬化パフォーマンスが恒例になったとか。)

2011年のアメリカでのライブでは、
愛用のオーストリアのマイクロフォンAKG414がセッティングされていなく
ご立腹されてステージ上で40分以上にわたって延々と愚痴ったらしい。
時折英語を交えて、僕はこんな気分じゃ演奏したくないんだよねなんて。
お集りのみなさん、残念だねー。とか。
結局ほとんど演奏することなく、
僕のAKG414はどこなんだというつぶやきを聞かされたらしい。

おもしろいよね、悪態のつき方が。

僕はその場に居たかったな。

レコードじゃこんなことありえないんだし。
完璧な演奏はレコードで聴けるけど、
こんな経験はその場にいてこそ。
ちょっとしたはなしのネタにもなるしね。

f:id:lotuscalifornia:20140703122153j:image:w360

といいながらも、キース・ジャレットをひとり自宅で聴くわけで。

lotus california たなかひろし


D