2015-11-19

危険回避はおとなの条件。




台風のうねりの入ったリーフポイント、
肩くらいのサイズの波がブレイクしている。
そこにいるのは3人のサーファー。
波は余っている。
20分ほどゆっくりと彼らのローテーションを眺めてから入水、
アウトでこんにちは。と挨拶するも無視する女性サーファー。
すかさずひとりのいやにはでなウエットスーツの男性が
だれの知り合い?と声を掛けてくる。
お控えなすって、こちら旅中のものでござんす。
手前生まれは......と仁義でも切ればいいのか...。
いやぁ、誰の知り合いでもないけどなにか。と答えたら
無言。
目を三角にしてこちらを睨んでる。
その後は執拗にドロップインを繰り返してくる。

海にもちんぴらがいる。

アウトからいい波を捕まえて
そのままインサイドまで乗りきって海から上がる。

大事なことは危険回避。

保険でカバーできない危険は海にあふれている。



仕事の帰り、
いつものように駅前の横断歩道を渡る。
斜め向こうからいい身なりのスーツ姿のおとこが
こちらに向かって猛進してくる。
こちらの存在を無視するかのように。
で、肩がばーんと当たって僕のリュックが肩から落ちる。
僕はカチンときて振り返ると
そのサラリーマンはなにごともなかったかのように
横断歩道をそのまま斜めに渡りきっていった。
まあ、いいっか。と 気分をおさめる
スーツを着た礼儀知らずのちんぴら。

 保険でカバーできない危険は街にもあふれている。


怒りを怒りで返してもものごとは解決しない。
危険回避はおとなの条件。

テロも空爆もない世の中になりますように。

lotus california  たなかひろし


BGM:  IMAGINE / JOHN LENNON