ドーナツ片手にマグカップで朝食。
なにものんびりしているわけじゃない。
昨日、THE NEWTON COMMERCIALから1週間とかからずにスワッチが届いていた。
(たいていの場合、イギリス人は仕事が丁寧で早い。)
なので、朝一番に自然光でクラブマンのシートと内装パネルの色決めにとりかかる。
友達からの差し入れのドーナツで寝ぼけた脳に糖分チャージ。
こういうことには勢いと糖分が必須。
しかし最近のビニルレザーって本当に良くできている。
ぱっと見た目はほとんど本革。
子ども達相手にどっちがビニルか本皮かを当てっこするけど
不正解連発...。
でも触らせるとさすがにきっちり正解する。
ビニルは素材独特のぺたっとした感触がある。
皮は程よく湿っていてその表面はさらっとしている。
ねぇ、本物は触ればわかるんだよ、触ればね。
写真のサンプルは上下でビニルと皮とを分けてあります。
見た目でわかりますか。
今回ほとんどのパーツ集めを海外のいろいろな業者と
ネット上でやりとりしているので、
こういう手書きのメッセージがついているとやっぱりほっとする。
いろいろ無理をきいてもらってるし、完成したら写真と手紙を送らなきゃね。
つづく。
ロータスカリフォルニア たなかひろし
2012-02-28
CLUBMAN RESTORE 日誌 VOL.4
2012-02-21
CLBMAN ESTATE レストア日誌 VOL.3
車の内装のレストアってなんでこんなに高いんだろうか。
ジョギングの途中で見つけた車の内装屋で見積もりをとったら、
あんまりな金額に開いた口が塞がらず、
僕のなで肩の両肩はこれ以上はない位に落ちた。
そのほか数社で見積もりをとってみても同じような結果に...。
なんで皮張りのソファーの張り替え以上の見積もりがでてくるんだろうか。
それなら椅子張り職人にオーダーする手もあるかな。
でもオリジナルの内装にはならないしな..。
'70-'75モデルのちょっぴりスパルタンなオリジナル内装をもくろんでいる僕は、
それなりの仕上がりは求めていない。
で、いろいろ調べてみたら,
元々MINIの内装全般をやっていた英国の会社があって
いまでもやっているらしい。
いいじゃない、本物が手に入るなんて。
MADE IN ENGLAND、いい響きだ。
と舶来好きの僕はにやにやする。
NEWTON COMMERCIAL http://www.newtoncomm.co.uk/home/
さっそくメールで毎日のようにやりとりして、
本日最終の見積もりがメールで届いた。
為替レートがいいのもあるけど、
送料込みで実に3分の1以下の見積もり。
しかもフロントとリアシートは本革仕様で。
本皮使いにするとシートだけでかるく2倍以上になるから
日本国内の手配ではあきらめていたんだけど。
メーカー泣かせの僕はここでも別注計画を進める。
本来クラブマンの初期型シートデザインにはリクライニング仕様はないんだけど、
無理いって作ってもらう。
さらに今回イノチェンティのドアを移植するので、
クラブマンのドアパネルでは各ハンドルの位置が違うから
初期型クラブマンのデザインパネルにイノチェンティの穴を開けれるかと打診。
イノチェンティのドア内側。
こちらがクラブマンデザインにイノチェンティの穴を開ける仕様。
はやくも型紙つくって写真送って来てくれた。
はじめは赤のレザーは英国内にストックがないから無理なんていってきたけど、
それは困る。
"THE LEATHER SEAT IS MY OBSESSION."
この一言で僕はがぶり寄った。
すると、
タータンレッドはないけれど、チェロキーレッドなら手配できると。
MK-1なんかはチェロキーレッドでかっこいいし、
ブラウンにもいいのがあるから、きょうサンプルを送るよ。
君の好きなのを選ぶといいよ。
とずいぶん前のめりに。
熱意があればやってくれるんだよね、
好きでやってる人たちだからこちらの本気度が伝わると
いろんな提案やアドバイスもしてくれる。
さあ、シートの皮サンプル早く届かないかなー。
つづく。
ロータスカリフォルニア たなかひろし
2012-02-10
CLUBMAN ESTATE レストア日誌 VOL.2
最近の僕はというと、
レストアするクラブマンエステートの内外装のプランニングにいそしむ毎日。
外装パーツを外されプラモデルのようなフレームを前に
子どもに戻った僕の構想は果てしない。
うーん、塗装は純正色のこのままで再塗装して、
グリルの黒い塗装を剥離してアルミむきだしにしてよりスパルタンに...。
内装は初期型のクラシックなスポーツ使用のシートにして...。
真っ赤なレザーシートがいいな...。
エトセトラ。
こういう時期が一番楽しい。
あとで見積もりを手にして大人の僕は悪い汗をかくんだろうけど...。
じつはひとつどうしてもやりたいことがある。
イタリアinnocentiのミニのドアを移植しようという計画。
要は三角窓が欲しいわけで...。
60年代のビートルズの連中がのっていたミニが三角窓がついていてかっこいい。
これがテーブルについたしみのように頭の中から払拭できない。
ビートルズの面々が乗っていたのはただのMINIではなく、
英国コーチビルダーHAROLD RADFORD社製のMINI。
http://www.radfordmini.free-online.co.uk/ (詳しくはこちら。)
三角窓とパワーウィンドー、パワーキャンバストップ。
コノリーレザーの内装とシート。
てんこもりのメーター類。
さしずめMINIの豪華版。
(リンゴのはドラムが積めるように後部ハッチバック仕様。本当に運んでいたかは疑わしい。)
運良く工場の社長が持ってるイノチェンティのドアを譲ってもらえることになったので、
これでドナーの調達は完了。
でもゴムパーツはひどくいたんでるらしく
僕はインターネットでパーツ探しの旅に...。
こんな車でもたいていのパーツは世界中のどこかのマニアのもとにある。
ひと昔前ならファックスで何度かのやりとりの上,
銀行で外貨送金して大変だったけど。
ありがたいことにいまは人差し指一本。
“CLIC!"
で、古い英国車のパーツがベルギーやらドイツやらはたまた金沢などから僕のもとに集まってくる。
でも、超レアパーツは人づてでしか手に入らないんだよね。
金沢から届いたオリジナルのホーン。
こちらもオリジナルの初期型ハンドル。
“ポール・マッカートニーが三角窓付きの マークⅠに乗っててね、
あれを見ていつかはやろうと思ってて置いてたんだけどねー。”と社長。
同じようなこと考えてる人っているんだ。
手放したくないんだけどねーと惜しむ工場の社長から
半ば強引に譲ってもらったinnocenti miniのドア。
つづく。
ロータスカリフォルニア たなかひろし
2012-02-03
CLUBMAN ESTATE レストア日誌 VOL.1
車はまる目の2灯と決めている僕がはじめて買った車がMINIで、
以来海外にいた頃を除いてずっとMINI党。
乗ったことのある人なら解るだろうけど、
あのラバーコーン独特の固いサスペンションとFFのもたらすハンドリングが好き。
コーナーにぐっーと目一杯つっこんでいって、
くいっと曲がる感覚がゴーカートのようで好き。
実は今回いろんなことが重なって
CLUBMANを本格的なレストアすることにした。
といっても僕はプランニングだけで、
信頼できる熟練のメカニックにお願いするわけですが。
なにしろ御年36歳にもなる車。
国産車なんて4~5年でニューモデルの新車に乗り換えていくようなこの世の中に
夏は高温多湿、冬は乾燥低温という過酷な条件の
アジアの辺境でまだ生き残っていること自体が貴重。
おまけにMINI好きにも”醜いアヒルの子扱い”をうける不人気車のCLUBMAN。
絶滅危機品種の認定が必要だとおもっていたら
案外とここ日本に生息しているらしい。
このレストアの為に画像検索してみたら結構いました...。
世の中には物好きが割と多いようで。
工場にて。
塗装の浮いているところをめくりだすと、
予想はしていたけどさびがあちらこちらから顔を出す。
モグラたたきみたいに、出てくるさびをとことんやっつけてもらうことにして、
僕は写真撮影。
MINIの最大の弱点、Aピラーまわりのさび。
MINIのゆるぎない弱点、フロアー下まわりのさび。
MINIのひっそりと弱点、窓枠まわりのさび。
こうやってみると結構なさびがまわっているようだけど、
致命的なくさりは無かったもよう。
工場の社長曰く、
”塗装はがしてみたらあちゃー。もう見てないことにしたいやつあるからねー。”
”これはぜんぜんましやわ。ドアの下部もきれいし。”
とのこと。
痛みのひどいフロアー両サイドはデットストックのオリジナルフレームで
張り替えてその他のさびは切って貼っての板金でなんとかなりそう。
暖かくなる頃、海岸線のワインディングロードを流すことを考える毎日です。
この日誌はレストア完了までシリーズでお送りいたします。
ロータスカリフォルニア たなかひろし