2012-06-24

THAT’S ONE SMALL STEP FOR A MAN, A GIANT LEAP FOR MANKIND...



ついに禁断のものに手を染めてしまった...。

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50年代~60年代のモノ録音のレコードをモノカートリッジで聴く。
というとてもあたりまえのことをいままでやってなかった。

ものぐさな僕はモノカートリッジDENONのDL102を買ったものの
いろいろなことの後回しにしたまま2年がたった。
たた単純に、
カートリッジ交換の簡単なユニバーサル型のアームのついたプレーヤーが
倉庫にしまっていたので引っ張りだすのが面倒だっただけなんだけど。

ずいぶん昔、
そうまだ僕の尻が青いころにDJみたいなことを
音楽好きの仲間3人とでミナミのバーで毎週一度だけ朝までやっていた。
仲間のやさしい絵描きはロックを、
男っぷりのいい美容師は4つ打ちを、
僕はソウルとジャズを自分たちの酒の肴にプレイしていた。
もちろんフロアーにはいつもだれもいなかった。
その頃に手に入れたテクニクスSL-1200を倉庫から引っ張りだして来た。
手持ちのプレーヤーでユニバーサル型はこれしかない。


あれこれ調整して出て来たDL-102の音が物足りない...。
ガッツがない、
ベースのブルンッもなければ、シンバルのパシャーンもない。
昇圧トランスを探そうかとリサーチしていたら、
ブログで知り合っためんくいさんから
アメリカGEのモノカートリッジがいいよという神の声。(OR悪魔のささやき?)

このGEのトリプルプレイはひとつのカートリッジに
2種類の針をつけれるというすぐれもの。
でもふたつだからダブルプレーじゃないの...。と引っかかりつつ。
ひとつにはモノオリジナル時代の1ミル針を、
もうひとつには、ステレオ時代になってからの再発モノ盤用の0.7ミルの針を
という使い方ができるのでとても便利。
(これひとつでSP盤、LP盤、EP盤と使えるからトリプルプレーというらしい。)

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なかなかうつくしいデザイン。こちらは60年代のバリレラVRⅡ。

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赤いノブを押さえてくるりと廻すと針も回る。
ドリフの舞台みたいなおもしろさ。

音が左右に広がるステレオとは違い、
モノの音はスピーカーの中央に音が集まり縦方向に音場が広がる。
音のかたまりがどーんと迫る感じは独特でくせになる。
まるでたっぷりとたたえたダムの水が上から放水される感じとでもいうのか。
降り注ぐ音のしぶきが気持ちいい。
ステレオ針のように上下の動きがないからか
トレースはいたってスムース。
いままで気になっていたモノ盤のノイズもにごりもめっきり減って、
曇った空が晴れ渡り、
あきれる位気持ちのいい音が出てくる。
音楽の気持ち良さを素直に満喫できる感じ。



お店でジャズを鳴らしていると、
オーディオマニアでも、音楽マニアでもない女性がほつりと
“あー、いい音ー。”って...。
温泉で、“あー、いいお湯ー。”ってつぶやく感じで。
こういうのが一番うれしい。

いろいろ言いたいのを我慢して僕はただレジカウンターの中でにやにやする。

ロータスカリフォルニア たなかひろし

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ORIGINAL MONO
こちらには1MILの針で。
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再発のモノ盤も気持ちよく鳴る。
もちろんこちらには0.7MILの針で。
ジェリー・マリガンのクルーカットにデザートブーツとパンツ丈が秀逸ね。
IVYは体型を選びます。