2014-04-29

COMIN’ HOME BABY.



昨年の夏のカリフォルニアトリップでも、
いい車両があれば個人輸入をと目論みつつ
あちこちであれこれと物色はしていた。

年中温暖で雨が少ないドライな気候から
旧車ファンの聖地南カリフォルニア...。

絶滅危機種であるタイプ2のカリフォルニア生息数の減少と
その人気からくる現地取引価格の高騰に、
僕は文字通り腰砕けになった。

船運賃に加え、
数々のわずらわしい手続きと高額なガス検費用を勘案すると
日本で履歴のいい車両を探すほうがいいわけで。
わが国の主たる輸出産業である自動車の個人輸入に対して
規制のハードルがあまりにも高い

以来、よいご縁がありますようにと地元神社で日々神頼み。

日々のしつこいお願いに神様もうんざりしたのか
ご縁を用意してくれた。
ドイツ生まれ、カリフォルニアはハンティントン育ちのきれいなこが名古屋にいた。
マニアのガレージにひっそりと。
レストア後、ほとんど乗られないままに。

f:id:lotuscalifornia:20140305123723j:image:w360

娘の学校を休ませ、課外授業よろしくふたり新幹線でいそいそと名古屋へ。



帰りはあいにくの雨、
お約束の雨漏りも娘が窓にハイソックスを詰め込んで止水し、
神戸までエンジンを止めることなく自走。
無事に自宅前に着き、
荷物の載せ換えに開けたリアゲートが下がらない。
うんともすんとも動かない...。

元オーナーさんに電話をかけて聞いてみると。
いやー、普通に下がりますよー。
すこし重いかもしれないけど。とのこと。
そうか、すこし重いのかー。
えい、やー。と力いっぱいいれてみたら、
ぐにゃんという妙な感触とともに右側のヒンジが曲がってしまった...。
リアゲートはすこしも下がらないままに...。


旧車にはつきものの思わぬトラブルにはやくも見舞われ、
おもいきり凹む僕。
自宅前でよかったじゃない。
とピントはずれてるものの
妙にポジティブな彼女のひと言に救われる。


f:id:lotuscalifornia:20140307093327j:image:w360

f:id:lotuscalifornia:20140307093348j:image:w360

f:id:lotuscalifornia:20140307104253j:image:w360



こうして、また僕のワーゲンライフが20年近くぶりに始まる。

オーストラリアでのあのポンコツの66年式ビートル以来の。
1600ドルで手に入れたときには、
座席も内装もなく、
ウインカーレバーはオレンジハンドルのドライバーが突っ込んであった。
エンジンだけはリビルト済みで絶好調。
でもひよわな6Vバッテリー電装...。

寒い朝は決まってジャンプスタート。
雨の日の夜は、ライトとワイパー付けたら
ウィンカーはほたるの光程度で後ろからいやというほどクラクション鳴らされたし。

下り坂でブレーキワイヤーが切れて死ぬかと思ったこともある。
アクセルワイヤーが切れて、
月明かりの深い霧のなかを
山の上の家までてくてく歩いて帰ったこともあった。
サイドブレーキが効かず気がついたら坂道を滑り落ち、
運良く木にひっかかって止まったなんてことも...。


トラブルと故障の連続だったけど、
不思議といやにならなかった。

自分探しの旅の相棒、
思い出のビートル。


こんどのバスは僕の家族といい思い出をつくってくれるんだろう。

たなかひろし LOTUS CALIFORNIA



D
BGM/ COMIN' HOME BABY BOOKER-T & THE M.G.'S
ハービー・マンのカバーもいいですが。