街の条件ってなんだろう。
僕にとっての街にはいくつかの条件がある。
日本にいると治安について考えることはあまりないけど。
おいしいバケットのあるパン屋と本格的なパティシエのいるケーキ屋、
気の利いたレコードやと本屋。
あとレイトショーのある映画館があるといい。
それにちょっとしたライヴハウスがあるとなおいい。
さらには四季に応じてなにかイベントがあるとさらにいい。
そういった意味では、神戸元町はほぼ条件を満たしているのである。
波乗りのできるビーチがあるということを除いて。
僕の店はそういった個人的な街の条件の中に寄り添うように存在している。
僕が21歳のとき、
はじめてのサンフランシスコ、その街のよさにしびれた。
通りがかりの公園で無料のコンサートをやっていて、
ジャニスみたいだねと話しかけたニットのマキシワンピースを着た女の子に、
軽いヒッピーの洗礼をうけ街を何時間も徘徊した。
ひとりで本屋、レコード屋を巡ってチャイナタウンの服屋に入った。
チェットベイカーのジャズがかかっていて、
壁にはブルース・ウェーバーの撮ったカルバンクラインの大判のポスターが貼ってあった。
店員がとびきりに男前で、
シンプルで趣味のいい服が品揃えされていた。
くわしくは書けないけど、店の奥にはびっくりするよな性具がこれまた品揃えされていた。
(そっちのほうが品揃えとしては充実していたけど。)
僕はイージースミスのソックスとカルバンクラインのアンダーウェアーを買ってでた。
そこはとびきりセンスのいいゲイショップだった。
でも自分には街のすべてが映画をみるようにかっこよかった。
そのときは自分が同じようなロケーションで店をするとは想いもよらなかったけど。
(店の奥にびっくりするようなものは扱っていませんが。)
それに、イージースミスのソックスを日本の女子高生が履くようになるとも思わなかったし。
LET'S GET LOST. END ROLL
エンドロールのいい映画って、デザートのいいレストランみたいに満足度が高い
ですね。
ロータスカリフォルニア 田中裕士
2011-09-20
LET’S GET LOST. 街についての再考。
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