2016-01-31

注文のおおい模型店Ⅱ TIGHTEN UP!!

本格的な冬の寒さがやってきた。
文化月間中の休日 2日間をレコードプレーヤーのセッティングに捧げる。





(STUDIO KUROさんのアライメントプロトラクターを利用させていただきました)


まずは劣化したブッシュゴムを交換、
プレイヤー本体の水平を正確に出し、
アームの高さを調整、
オーバーハング調整、
さらにはアライメント調整をして、
アームの水平バランス調整からの
ラテラルバランス調整、
さらにインサイドフォースキャンセラーを設定、
おまけにカートリッジの傾きを調整、
とどめの針圧調整.....


いちいち六角レンチやら専用ゲージで調整 をする。
息を殺して慎重に取り組む。
ひとつ調整しては深呼吸。
やたらとコーヒーブレイクが多くなる。
ひとつ狂っていると次も狂っての調整になるので、
瀬川氏のSME徹底研究書をたよりの綱に
慎重にミリ単位で調整してゆく。


しかしまあ、
この模型店は
あれをしろ、
これをしろ。
といささか指図が多過ぎる。
帽子をとって服を脱ぎなさい。
体をきれいに拭きなさい。
油を塗って
スパイスも振ってと
注文のおおい料理店のように
客のつもりが料理になっている。

僕も遊んでるつもりがすっかりSMEにもて遊ばれている。

いいんだよ、
今は遊ばれてるけど、
そのうち手なずけてやるからさ。と
こころに誓い六角レンチ片手にコーヒーをすする。

手綱ならぬねじを締めたり緩めたり。

LOTUS CALIFORNIA たなかひろし

BGM : TIGHTEN UP / ARCHIE BELL & THE DRELLS


うーん、たまりません。
うねるベースラインにカッティングギター。
うきうきソウルのNO.1。
揃いの空色スーツにステップもイカします。

TIGHTEN UP / YMO


改めて見ると、YMOってすごい人力テクノ。
細野さんのうねるベースと高橋さんのタイトなドラムありきですね。

2016-01-24

注文のおおい模型店。 I CAN'T GET STARTED...

個人的にもっともうつくしいと思うトーンアーム。


英国SME社は(SCALE MODEL EQUIPMENT COMPANY)
もともと精密模型をつくる会社のオーナーの趣味が高じて
始めたというトーンアームメーカー。
アイクマン氏は巷にあるトーンアームの音とできばえに満足できず
自分自身の為につくったらすごく評判が良くて
それが本業になっちゃったというお方。
趣味人であり優れたビジネスマンでもあった。

その道具としての性能の高さと
工作精度の良さもさることながら、
どの角度からみてもほれぼれするくらいにうつくしい。
デザイン・カウンシルの前進である英国工業デザイン協議会
1962年デザインセンター賞受賞、
優れたオーディオプロダクトであり
うつくしいモダンデザインのひとつ。
レコードをトレースする優美な姿は
街を歩くピンヒールを履いたきれいな脚の女性のようで、
にやにや眺めながらお酒が飲める。

文化月間の娯楽としてセッティングに取り掛かる。
アーム本体が前後に可動式になっているので、
専用スケールに従い正確に穴をあける必要があり、
一般のトーンアームのように
ただ丸い穴を開けただけでは取り付けができない。

ホームセンターで30MMのドリルを購入、
工房のボール盤を借りて作業にとりかかるものの
トルクが低いのと、
アームベースのオーク無垢素材が非常に硬くて歯がたたない......。
手持ちのインパクトドライバーで垂直に穴あけできる自信もなく。
あえなく挫折。
ここはプロの手を借りることに。
木工作家NICOの内海さんにお願いする。
内海さん曰く、
これはリーマーがないと無理ですよ~と。


まあ、 アームひとつ使う為に
あれこれと注文の多いこと......。

いつまでたっても始まらない。

LOTUS CALIFORNIA たなかひろし

BGM : I CAN'T GET STARTED. /  STAN GETZ



BGM : I CAN'T GET STARTED. / CYBILL SHEPHERD

このアルバムでのスタン・ゲッツも実にいい味だしてますね。






2016-01-16

JUNGLE BEAT.

ひさしぶりに元町の高架下を散策する。


昔は中古の電化製品を直して売る店や
いやらしいビデオを売る店が多く、
買い物をする外国船員の目線が鋭くて
女の子連れて歩くのは躊躇するくらいだった。

それもいまや昔、
すっかりこぎれいな店が軒を連ねている。

その中にあって
中古レコード屋だけは昔のまま。
床にはところ狭しとレコードがとっちらかり、
レコードラックの上には見ることを拒むかのように
50センチくらいにレコードが平積みされている。
ここには整理整頓という概念はない。
地震の直後のように
棚からレコードが崩落している。
狭い棚と棚の間を進むと、
うずたかく積まれたCDがガラガラと崩れ落ちてくる...。
店員はそれも何食わぬ顔でやり過ごす。

そうここだけは昔のままのモトコー。
未開のジャングルのような怪しさに満ち溢れていて
予測のできない店内に
こころを緊張させる。
その緊張感にすこし興奮してくる。
手が汗ばみ、頭の中でジャングルビートがこだましだす。
僕の目もぎらぎらとしてきて
集中力を増し、
獲物を狙う動きにも鋭さがでてくる。

そうそうレコードをディグするって
埃にまみれて指を真っ黒にする
この感じがいいんだった。


しばらくはジャングル通いが続きそうで。

BGM SING SING SING


これぞジャングルビート、
さすがはこのドラムビートの生みの親、GENE KRUPA 。


  NOT FADE AWAY / ROLLING STONES




DESIER / U2


55 BO DIDDEY/ BO DIDLEY
流石はボー・ディドレー、
自分の名前を付けちゃう十八番のボーディドレービートです。