2013-06-19

薔薇をかけた聖戦 



梅雨だというのに晴れが続く6月。
理由があって僕はまとまった雨が降るのを待っていた。

薔薇を救出するための秘密作戦の日の為に。

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毎年、大切にしている庭の木のどれかが
なにものかに根を喰い尽くされ、
無惨にもぼろぼろのほうきのように力なく立ち尽くす。

敵はこがねむしの幼虫、
あの白いちいさなやつらが根をまさに根こそぎ喰い尽くす。
なんか元気ないな、なんて思ったときには時すでに遅く、
ほぼ瀕死の立ち枯れ状態。

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今年もまた新たな戦いが始まった。
冬に植え替えたつる薔薇が、
ちいさめのつぼみをたくさん付けたところまでは良かった。
つぼみの開きがなんか悪いな...。
怪しいなと思って根元つかんでみたらぐらぐら...。

いつもは仕方なく引き抜いて、
テラコッタに移し替えて養生、3年は我慢。


今年の僕は、ただ耐え忍ぶ農民ではない。
用意していた生物兵器を携えこぶしを上げる。

この最終兵器の弱点は紫外線。
作戦は雨の日に決行する。

しとしとと降る雨、
気温も25度を超えている。

待ちに待った決戦の日。

冷蔵保存していた線虫を日陰で水に溶き、
根鉢を作った根元にたっぷりと撒く。
数万頭の線虫たちが地中をうごめき、
幼虫の体に無言で忍び込み喰い尽くす。
一分の容赦もなく。

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僕の薔薇をかけた聖戦は始まった。

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たなかひろし ロータスカリフォルニア