2015-10-21

LIFE WITH A OLD CAR.





日本は旧車には厳しい。
ただでさえメンテナンスに時間とコストがかかるのに、
古い車は高い税金を払わないと維持できない。
自動車関連産業が日本の主たる産業なので、
あたらしい車をジャンジャン買ってもらわないと困る訳である。


あたらしい車を作るためにたくさんの資源を消費して、
CO2をどんどん排出して、
製造にどんどん電気を使い、
廃棄された車を処分するためにたくさんのエネルギーを消費して、
またたくさんのごみを作り出す。
このくりかえし。

古い車を大切にして
レストアしながら乗るほうがよほどエコロジーだと思うんだけど。

まあ、僕ひとりがここで声を荒げて拳を振り上げても
体制には影響ないんだけど...。
ちなみにドイツでは30年以上たってコンディションのいい車は
Hナンバーを習得しヒストリックカーとして税金は免除される。
さらに保険の優遇も受けれるらしい。
つまりは古い車を維持することが
文化遺産の継承とみなされるから。
同じくイギリスやスイスなど文化度の高い欧州では、
こういったヒストリックカーを文化遺産として扱う制度が存在する。


さて僕のキャンパーも車検がやってきた。
手に入れてはじめての検査なので
ゴッドハンドに念入りにチェックしてもらうことに。

1を訊けば10答えてくれるゴッドハンド。
今回も左リアブレーキの取り付けが180度違っていたとか
右フロントライトの取り付けも逆さまで光軸があっていなかったとか
鬼の首をとったかのように嬉々と説明してくれる。
なにも訊かなくてもずっとしゃべってるけど。
僕はこのゴッドハンドとのおしゃべりが好きで
神戸から千早赤阪村まで2時間掛けてやってくる。

新車のディラーとは違うこういったサードパーティーが
実は車文化の担い手であるのは
欧州もここ日本も同じ。


僕のキャンパーも無事に検査を済ませ
またひとつ自分の車になったような気がする。
はじめのうちどこか借り物のように感じていた車も、
ちょっとしたトラブルごとに、
検査ごとに手を入れることで
着慣れたやわらかいネルシャツのように
自分の肌になじんでくるような気がする。


lotus california  たなかひろし