2015-11-25

不思議なレコード。SAND / BARNARY RECORDS




いつものようにレコード屋をのぞいて、
壁に掛かるレコードに目を配る。
目に飛び込んで来たのは、
砂まみれのハンバーガーが強烈なジャケット。

これいいですよ、と店主が勧めてくれる。
面白いことに、このアルバム二枚組なんですけど
どちらも片面しか音を刻んでないんですよ。
なんででしょうね?
と。

音質重視なのかな。と僕。
でもこの後すぐに倒産するようなこの弱小レーベルが
そんなコストのかかることするとも思えないんですけど。と店主。
そうだよね、それに音質重視なら45回転で両面に
カッティングして二枚組にするほうがいいもんね。と僕。

うーん、
このアルバムの音の良さときたら。
プロモ盤にしても...。


ハワイ産ウエストコーストロック的な音色、
レイ・グーリアックあたりや初期カラパナみたいな。
もしくはロビー、フォーク&バドみたいな
低音の充実したいい塩梅のフォーキーグルーブ。
(マニアックすぎてたとえにならないか。)


このレコードのことをネットで調べてみると、
どうやら、70年代まだ原油価格が高騰するまえの時代に
スタッカブルプレーヤーで演奏するために
片面だけにプレスしていたらしい。
なんて贅沢なんだろうか。
そもそも、その時代にスタッカブルプレーヤーがどれほどの
ポピュラリティーをもっていたのかはわからないけど。

お店でそのレコードをかけていると、
栄町のレコード番長、カフェ萬屋宗兵衛のオーナーが現れる。
今日はレコード屋で収穫なかったわー。なんていつもの調子。
で、僕の入手したレコードのはなしをすると、
僕、スタッカブルプレーヤー持ってるよ。って...。
コーヒーを焙煎するときにレコードをひっくり返さなくていいから便利だよ。
5枚くらい連続で聴けるし。
でもアルバムの片面ずつしか聴けないけどね笑
などと。


ふむふむ。
70年代にはコーヒーを焙煎しながらレコードを聴く文化があったかもしれない。
きっとサンフランシスコのベイエリアなんかには......。




LOTUS CALIFORNIA たなかひろし

BGM:  SAND /  WHO YA' TRYING TO FOOL


SAND / DESTINED ROAD

2015-11-19

危険回避はおとなの条件。




台風のうねりの入ったリーフポイント、
肩くらいのサイズの波がブレイクしている。
そこにいるのは3人のサーファー。
波は余っている。
20分ほどゆっくりと彼らのローテーションを眺めてから入水、
アウトでこんにちは。と挨拶するも無視する女性サーファー。
すかさずひとりのいやにはでなウエットスーツの男性が
だれの知り合い?と声を掛けてくる。
お控えなすって、こちら旅中のものでござんす。
手前生まれは......と仁義でも切ればいいのか...。
いやぁ、誰の知り合いでもないけどなにか。と答えたら
無言。
目を三角にしてこちらを睨んでる。
その後は執拗にドロップインを繰り返してくる。

海にもちんぴらがいる。

アウトからいい波を捕まえて
そのままインサイドまで乗りきって海から上がる。

大事なことは危険回避。

保険でカバーできない危険は海にあふれている。



仕事の帰り、
いつものように駅前の横断歩道を渡る。
斜め向こうからいい身なりのスーツ姿のおとこが
こちらに向かって猛進してくる。
こちらの存在を無視するかのように。
で、肩がばーんと当たって僕のリュックが肩から落ちる。
僕はカチンときて振り返ると
そのサラリーマンはなにごともなかったかのように
横断歩道をそのまま斜めに渡りきっていった。
まあ、いいっか。と 気分をおさめる
スーツを着た礼儀知らずのちんぴら。

 保険でカバーできない危険は街にもあふれている。


怒りを怒りで返してもものごとは解決しない。
危険回避はおとなの条件。

テロも空爆もない世の中になりますように。

lotus california  たなかひろし


BGM:  IMAGINE / JOHN LENNON



2015-11-09

どうやらプロモ盤は音がいいらしい。




レコード屋でときどき見にするプロモ盤。
はたして本当に音がいいのかしらん。
知り合いの中古レコード屋の店主にきいてみたら、
いいですよ。ときっぱり。
しばらく黙ってつづきを待つが、
それ以上の答えはない。

ふーん。音がいいんだ。
僕自身、同じアルバムのプロモ盤と普通盤(?)をききくらべしたわけでもないし、
聞き分けれるほどいい耳を持ってるとも思えない...。
手元にはPROMOTIONAL COPYのシールのついたレコードが
それなりにたくさんあるけど、
僕はどちらかというと敬遠してきた。
というのは、プロモシールが邪魔だから。

アナログはジャケットのデザインそのものもアートで
そこにプロモシールがあること自体が好ましくないのである。
プロもシールが遠慮がちに隅のほうに貼ってあるのはまだしも、
どうしてここに貼るのかとほとほとあきれる程センスのないのもある。

酷いのはワーナーのラジオ局用プロモ盤(WARNER BROS RADIO STATION SERVES)
という曲目とタイムを記載した巨大なシールが
ジャケットの下から1/4を占拠していて、
ジャケットアートが台無し。
完全なる業務用。
無粋なので基本的には無視。
というわけでプロモ盤に特段の思い入れはなかった、
この一枚に出会うまでは。
通常盤とは違うあまりの音の良さにびっくり。



どうやら白レーベルのプロモ盤は放送局用のプロモーション盤らしく、
音質の為に一番最初にプレスするそうで
プレスを重ねたスタンパーのプレスよりも音の優位性があるらしい。
ということはオリジナル盤マトリクスナンバー等の確認するまでもなく
最初期プレス盤ということか。
さらには記載はないものの高品質のビニールを使うこともあるらしい。

うーん、
知らないでいいことを知ってしまった。

レコードやでプロモ盤をみつけると嬉々とする今日この頃。

私的名盤をプロモ盤で買い直そうかと画策する。
アナログレコードの沼は深い...。

LOTUS CALIFORNIA  たなかひろし


BGM: FOR SENTIMENTAL REASONS / DANNY KORTCHMAR