2012-05-20

COLEMAN PEAK-1 STOVE



10歳くらいのころ、親父からもらったストーブ。

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そのころキャンプと釣りにハマっていた少年の僕には宝物だった。
取り扱い説明書もなく、
ストーブ本体に書かれた英語も読めない僕は、
幾多ものトライアンドエラーの末、
我流でこのストーブを使っていた。
いまは使い方もちゃんとわかっているけど、
当時の僕はほぼ正しく使いこなしていた。

ただひとつ間違えていたのが、
ポンプに注すオイルの種類で、
僕は家にあった母親の動力ミシンの油を使っていた。




久しぶりに取り出したストーブにホワイトガソリンをいれ
ポンピングしてみると具合が悪い。
気化したガソリンがうまく出て来ない。

調べてみたところ、
どうやら純正のリュブリカントオイルを使わないと、
ポンプ最深部にある金属の弁が固着するらしい。
ようは昔あったソーダー水のガラス球のように
圧が掛かると動くように設計されている。
そこが油の粘度の違いで不具合がでるようで。
面倒なことにこの部分の分解だけはコールマンの専用工具が必要になる。
しかもカナダ製とアメリカ製では工具が違う。

早速、アメリカのコールマンマニア制作の専用工具を発注...。


じーっとこのストーブを見ていると
亡くなったやくざな親父のこと、
友達とふたりで泉南の浜でしたキャンプのこと、
テントの中でストーブ代わりに使った寒い夜のこと、
いろいろとおもいだして少し感傷的になった。

いろんなところにさびがでていて使われていない道具の
さびしさがにじみでている。

よし、きれいにしてやるか。とばらしてみる。
ここは人の手を借りずに直してやる。
僕なりの自分の思い出とのコミットメント。


想いを込めていま10歳になった息子にあげようか。

でも彼は電車に夢中...。

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ロータスカリフォルニア たなかひろし




2012-05-13

RIDE ON!! VESPA GS4.



暖かくなると、こいつに乗りたくなる。

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僕のVESPA GS4、つまりはGS160のドイツ仕様車。

手に負えない整備があるとやっかいになる
THE SMOKY SCOOTERの加納君にあるとき、
”たなかさんのGS,ドイツ仕様ですねー。”といわれ、
僕の眉と眉が3ミリ程寄った。
いままで20年以上付き合って来た彼女は生粋のイタリア娘と思っていたら、
実はイタリア人とドイツ人のハーフと知りまじまじと見入ってしまった...。

じゃ、ちゃんとオリジナルのルックスに戻してあげようということで、
僕のVESPA GS160改めVESPA GS4のレストアはおととしの秋に始まった。

EBAYでここが要のドイツ製DEFELDのオリジナルシートを手に入れ、
ドイツからライト、ウインカー等はHELLA社リプロパーツを取り寄せ、
板金、シート張り替え、エンジン、キャブの調整を加納くんにお任せ。
それ以降、すごく快調。

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          (ITALIAN GS160 LOOKの頃)

気温も上がって来たしそろそろ乗ろうかなと思ったら、
フロントブレーキのワイヤーが切れていた。
よーし、直すぞ。と工具一式抱えて気合いいれてとりかかったものの
どうしてもワイヤーがアウターケーブルのなかを気持ちよく通ってくれない...。

VESPAのワイヤー類はあのエレガントなハンドルの内部を窮屈に通っているので
すんなり通らないことがおおい。
特にハンドルの直角に曲がるところがまさに曲者。
ヘッドライト外して、メーターも外してみたら
アウターケーブルがぼろぼろで
ところどころ破れていたりしてうまくいかない。
1時間くらいでやっつけるつもりだったけどTIME UP...。
(仕事にいかなきゃ。)

で翌日の午前中、仕事前にやってきたのがTHE SMOKY SCOOTERS。
手に負えないことは信頼のおけるプロにお願いするのが一番。

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うーん、どうなってんのー。とプロも困惑中。

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ケーブルのひきまわしが悪かったようで。
他のケーブル類の上を通して曲がる角度をやさしくしてあげるのがあるべき姿。

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引き抜かれたぼろぼろのアウターケーブル、30年選手?40年選手?!
曲がるところが破けていて引っかかりやすくなっていたみたい。

GOOD JOB!! THE SMOKY SCOOTERS.

ロータスカリフォルニア たなかひろし





2012-05-08

CLUBMAN ESTATE レストア日誌 VOL.7



いつごろ仕上がるのー?という声もちらほら...。

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親方の手による熱心なボディのさび処理と板金も終わり、
ついに車体のサーフェイサー掛けが終了。
手渡されたCD-ROM2枚にわたるレストア行程の写真をみてると
その仕事量の多さと丁寧さに僕の頭は下がる。
まるで工事現場の看板の人のように。

せっかくだし色も変えようかと考えたけど、
結局オリジナルの色で再塗装をすることにした。
ミッドナイトブルーだと車体が小さく見えるし、
僕にとってはドイツ車のイメージ。
チョコレートブラウンだと街はいいけど海が似合わない。AND SO ON...

後はイギリスから内装の届くのを待って組み上げるのみというところまで
ようやくこぎ着けた。(僕がやってるわけじゃないけど。)

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ドアヒンジも悪くなっていたので4点中3点を取り替え。


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いまでも新聞紙は使うようで。
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サフ掛けされてプラモデルのパーツのようなCLUBMAN。


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これが...。
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こう。

うーん、もう少しだ。

ロータスカリフォルニア たなかひろし





2012-05-02

TUBE ROLLINGという遊び。



そもそもめんどくさがりやの僕には向いていない遊びがある。

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真空管アンプの音の変化と改善を求めて、
真空管をあれやこれやと差し替えていくことを
英語ではTUBE ROLLINGという。
さしずめ日本語では球ころがし?
アメリカのオーディオファンには結構人気のある遊びのようで、
検索するといろいろとフォーラムがある。
彼らはとてもオープンで友好的。

何人かに自分の機材にあった真空管のアドバイスをもらう。
CHINA管はSHIT(使い物にならない)に始まり、
ヴィンテージ管RCAのブラックプレートがAWESOME(最高)だとか
プリの初段にはゲインの低いGEの軍用管5751がFRESH(いいぞ)とか。
MX110のフォノにはtelefunkenの12AX7がTASTY(たまらんぞ)だとか。
(米語のオーディオファイルのボキャブラリーにはおもしろいものが多い。)

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デフォルトのどこのか不明の球。中国製?
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ヴィンテージのTELEFUNKEN、ドイツ製。
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パッケージデザインが秀逸なLINDAL。6L6GC

とはいえケーブルひとつかえるのにも思いついてからひと月くらいかかる僕の場合、
真空管をひとつひとつ差し替えて音の違いを聴き比べるなんてのは
1万ピースのジグソーパズルに取りかかる位めんどくさい。

僕はすきな音楽を聴きたくてオーディオを所有しているのであって
音の変化の聴き比べをしたいわけじゃない。

できればオーディオクリニックなんて白衣にロゴのはいった
ドクターかなんかが自宅まで往診に来てほしい。
レザーのドクターバックからおもむろにドイツ製ハイエンドの聴診器を取り出して、
“あー、たなかさん...。これは酷い音で聴いてますねー。
今までつらくなかったですかー?”
“よく、がまんしましたねー。”なんて、
横できれいな看護婦さんもうなずいていたりして...。

今日はこことここ調整して、あと高域のでるお薬出しときますね。

“えーと、たなかさん、
ここから先は保険外治療ですけど、
真空管の出物がありまして。
結構しますけどすごい音がでますよー。”
なんて悪魔のささやきがあったりして...。

なんてことはあるわけないか。
あー、こんなことだれかやってくれないかなー。
と思いながらも家族のいない午後に
ごそごそと真空管を差し替えている僕はもう既にりっぱなオーディオマニア...。

いいドクターいないかな。
保険外治療でもいいから。

たなかひろし ロータスカリフォルニア