2016-04-28

趣のあるふるい石の橋。 / ランゲルハンス島の橋




ぽかぽかとしたという形容がぴったりする
まるでこころがゆるんで溶けてしまいそうなくらい
気持ちのいい午後のこと。

好きな作家の短編小説にでてくる
趣のある古い石の橋が
夙川に架かるこの橋だとながらく思っていた。






でも本当はもうひとつ下流にある
いつもジョギングで渡るちいさな橋のことだった。
僕には
この鉄と石でできた古い橋のほうが
趣あるとおもうんだけど。


その短編のなかに、
少年が生物の最初の授業で
教科書を忘れて取りに帰るくだりがある。
学校と自宅の間にそれほど深くなく水のきれいな川があって
そこにかかる橋を渡って家にもどるらしいんだけど、
実のところ、
この橋を渡ると隣町なんで越境入学をしていたということになるな。
なんてことを考えながら娘と犬と散歩していたら
川に片足はまってしまった。

まあ、いいか。
気持ちいい午後のことだから 。

lotus california  たなかひろし




こちらがほんとうのランゲルハンス島の橋。






僕の娘がこの春から
兄に続いて同じ中学校に通い始めた。
毎年ノーベル文学賞の発表日は騒がしくなる。

LOTUS CALIFORNIA  たなかひろし


BGM : THE BRIDGE / SONNY ROLLINS


橋といえばのソニー・ロリンズ、
自身の演奏に満足できず2年におよんで隠遁生活 、
NYのウィリアムズバーグ橋で昼夜練習を積んだ後の復帰アルバムがこのTHE BRIDGE。
1930年生まれとのことで、
僕が観たライヴは既に60歳を超えていたけど、
そのゴリゴリの吹きっぷりの良さは昔の映像と変わらず
うれしくて涙流しながら観たなぁ。





2016-04-21

年々自分のルーツに自信がなくなってくる。


なじみのお客さんからのサプライズ。
絵描きになりたかったけど、
それじゃなかなか食べてないから。と堅気の仕事についた方、
最近はイベントで似顔絵を描いたりもしてるらしい。


笑ってしまうくらいよく似てる。
僕自身のルーツが南方系なのは疑うこともないけど、
年々、血中ラテン濃度が高くなっているようで、
沖縄、台湾、フィリピンを超え
そろそろ南米もルーツとして意識しないといけないようで。
ホルヘとかカルロスなんてミドルネームが
そろそろ必要かな。

BGM: SANTANA / SAMBA PA TI


2016-04-18

雨の日のちょいとしたできごと。/ STRAIT FROM THE HEART.




朝から降りしきる雨のなか、
僕は仕事場でひとり
いつもより幾分大きめの音で
リトルフィートのライブ盤を聴いている。

約束の時間とおりに
クレジットカードの機械の取り付け工事に
若い男性がやってきた。
レコード片面ほどの時間で工事を手際良く終え、
取り扱いの説明も手短かにとても実務的に済ませた。
無駄のない仕事振りに感心してると、
その青年は 帰り際にかばんを手に取り
ディスプレイしていたレコードに目をやって、
“僕、リトルフィート好きなんです。
今日は仕事しながらいい音で聴けてうれしかったです。って。


うれしいこというやん。

思ったことって、
口にするのが案外むつかしいもんだけど。


lotus california  たなかひろし

BGM: STRAIT FROM THE HEART / LITTLE FEAT



2016-04-07

MADE IN USA 図鑑 / M.A. COTTER MK2




時間があるとあれこれしたくなるのは
生まれつきの性格でして。

自分のことをマニアではないと思いつつ、
あれこれやってるうちに
マニアックな袋小路に迷い込み、
出口を探しながら、それでも嬉々としてる自分がいる。


いつか使おうと思って手に入れたまま,
引き出しの中で眠りについていた
M.A. COTTER の昇圧トランス。
黒だのシルバーだの色気のないオーディオ製品の中で,
きらりと光るブルーの躯体に銀色のケーブル。
存在自体が実に色っぽい。

仕事場のターンテーブルに繋げてみると
ブーンと盛大にハム音が鳴る。
アースの取る位置をあれこれと試すもうまくいかない。
置き場所かなと思い、
トランスを持ち上げるとぴたりとおさまる。
そのまま寝た子を起こさないように
慎重にそーっと降ろす。
もう触らないことにする。



音質はというと、
透明感があるけど
味わいもしっかした硬度高めのミネラルウォーターというような感じ。
低音は締まってて高域がすっと伸びて...。
ボリュームを上げていくと
低音に厚みがでて音の輪郭もしっかりしていて、
ベースとドラムに躍動感がでる。
中高音域に音のにじみや歪みがでないのも僕の好み。
などとオーディオマニア的なコメントはどうでもいいか。
個人的には、
単にJBL SA600とLP12との並びのうつくしさにこだわってみただけなので。

でも、
PEERLESS SLCのズシンと腹にくる低音も捨てがたい。
トランスひとつでこれだけ味わい変わるというのもどうなんだろう。
つまりはトランスは魔法のスパイス。

まあ、ちょちょいと気分で変えればいいか。と

いろんなスパイスを揃えたくなっちゃうのがこれまた難儀でもある。



LOTUS CALIFORNIA  たなかひろし

BGM: woody and dutch on the slow train to peking
RICKIE LEE JONES



このチャック・レイニーのブリブリのベースがうまく鳴っていれば
ベース&ドラム音マニアの僕としては、
なにも文句はない。


2016-04-02

続 文化月間につき。



安心してください。

継いでるだけですから。






文化月間も大詰め。
欠けたままの器や
割れたままのお皿の銀継ぎに取り掛かる。
壊れたから捨てる。
飽きたから手放す。
なんてことはモノ好きの僕にはできないこと。

自分で直せるものは自分でやる。
自分で繕うことで
また愛着も増すからね。


lotus california  たなかひろし


BGM : RESCUE ME / FONTELLA BASS