このままでは使い物にならない程にくさいテント。
子どもたちのお仕置き部屋として使うわけにもいかないし...。
いまこんなにおいの発生するテントを製造したらアメリカなら訴訟連発だろうに。

ポリウレタンコーティングの劣化は
製品ができたときから始まるらしく、
コーティングそのものの耐用年数は3年程度しかないらしい。
数年で使えなくなるものを作ってはいけない。
でも、その当時の防水技術として最先端だったわけで。
その後、ゴアテックスのテントなんてのも出現するけど重すぎた...。
最近のテントは
ポリウレタンとシリコン多層コーティングのものが主流。
科学的には、ポリウレタンとは
ジイソシアネートとジオールモノマーが重合することで生成され、
ウレタン結合を持つポリマーの総称。
常用できる耐熱温度は90~130℃程度。
軟らかいものから硬いものまで種類が豊富で、接着性や耐摩耗性に優れた樹脂で、
発泡体としても様々な性質を持つものがある。
などと、実はポリウレタンコーティング素材のクリーニングで悩む
洗濯屋さんのホームページに詳しい。
ウレタンゴム自体は身の回りに山ほどあるけど、
残念なことにポリウレタン素材は水と反応して分解反応を起こすらしく、
いわゆる加水分解を起こしてエステルが水と反応して酸とアルコールになるとのこと。
水と反応してしまうということは空気中の水分とも反応するわけで、
ぬれたままの保管や通気性のわるいところで保管しやものは早く劣化するらしい。
ふむふむ。
そういえば、僕もストックしていたまっさらのニューバランスのスニーカーを
履いてみたらソールが粉砕してしまったことがある。
あれもポリウレタン製のソール...。
いずれにしてもこのテント、
この宿命的に強烈なにおいをとるには洗濯しかないと決断、
いろいろと調べたところ、重曹がいいらしいということが判明。
重曹はアルカリ性、
加水分解による有機化合物(ねばねばと強烈なにおい)は酸性。
おお、ということはうまくいけば中和するはず。
化学が苦手科目だった僕でもこれくらいはわかる。
浴槽にお湯をためて重曹を大さじ10杯。
テントを漬け込む。
すると、でるわでるわ。
バスタブの中をテント生地から剥離してくるポリウレタンコーティングが
ふわふわと浮かんでくる。
まるで巨大な中華ふわふわ卵スープのよう。

思いのほか簡単にすべてのコーティングがとれてすっきり。
仕上げに撥水効果のあるアルカリ性洗剤でもう一度洗う。

洗い上がったテントは心無しか軽い。
コーティングを完全に剥離したので10%から15%くらいは軽くなったのでは...。
それでも500g程しかないいまどきのUL系テントには比べ物にならないだろうけど。
乾燥のためさっそく庭で張ってみる。

うーん、完璧。
あの忌まわしきテントの加齢臭がない。
すっきり。
念のためにラベンダーを放り込んでおこう。
これならいい夢見れそう。
ロータスカリフォルニア たなかひろし